イエスキリストの
愛するみなさんへ
ヒラン・インディカ
「マリアは言った。
『わたしは主のはしためです。お言葉通りこの身に成りますように。』
そこで天使は去って行った。」 ルカ1:38
5月はマリア様の月と呼ばれて主イエス・キリストのお母様である
マリア様に奉げる月なので、マリア様について考えてみたいと思います。
私たちが何かの役割を受け取る時にその役割についてよく考えることや
自分にそれを果たす能力があるかどうか、そしてどうしてそれを私が
しなければならないのですか、と考えるのは人間らしい考えだと思い
ます。
私たちと同じ人間であったマリア様もイエス・キリストの母になる
使命を受け取る時も同じように考えていた、と福音記者ルカが書いて
います。あまりにも理解できないイエス・キリストの誕生を天使
ガブリエルから教えていただいたマリア様はもちろん信仰の力で答えら
れました。
わたしは主のはしためです。お言葉通りこの身に成りますように。
そこまでだけでもマリア様の信仰の深さを強く表していると思いますが
ルカの次の言葉が私を考えさせました。
「そこで天使は去って行った。」
その場面を少し想像してみたら、私たちならどう思うでしょうか。
使命を教えてくださった天使が、またその役割を伝えた方が少しでも
一緒にいてくれたら、と思いませんか。それは人間の世界の考えだと
思います。ある役割を頼んでからその方を強く信頼しているとすれば、
すべてをお任せすることはありえることでしょう。マリア様を
イエス・キリストのお母様として選んでくださった神様はマリア様の
すべてをご存知でしたし、マリア様の信仰の深さも分かっておられた
から、天使が去っていくことを望まれたのでしょう。
天使が去っていくだけで周りのすべてが前と同じようになりましたが、
マリア様の内側はもちろん前と同じではなかった。理解しづらいことや
心配なことがたくさんあったに違いありません。でもその中で「主が私の
うちにおられます」という強い確信の方が重いということは言うまでも
ありません。ですから、わたしたちも神様からの使命を受け取るときには
外面の支えよりも「主が私のうちにおられます」という確信の方が必要だ
と思います。
そのために、天使は去っていくのではないでしょうか。