**************   神父様の言葉   ***************

秋になって皆様はいかがお過ごしでしょうか。

さて、ある一人の男の話です。 彼は町で有名な働き者でした。 毎日、東へ西へ、北へ南へ、日帰りのこともあれば二泊、三泊することもあります。 仕事が終わればまっすぐに家に戻り規則正しい生活をしていました。

そんなある日、彼は事故に巻き込まれてしまいました。 これまでのように歩くことはできません。それでも仕事は続けなければならないので、彼は思いきってロバを買いました。 ところが、どうも様子がおかしいことに町の人たちは気づきました。仕事の失敗や規則正しい生活ができなくなって しまったようです。

心配する人々に彼は言いました。 「一人で歩いていた時のようにはいきません、ロバは私が思う通りには動いてくれないのです。ある時はゆっくり、ある日は違う方向へ。 でもロバと戦うことはできない。 私にはこのロバが必要なのです。 ですから私の計画通りではなく、ロバが東に向かったら東の仕事をし、動かなくなったらその日の仕事は終わりにします。 こうした仕方にも慣れました。 ロバは平和です。 私も仕事が続けられて良かったと思っています。」

皆さんにも心当たりはありませんか。何度言っても聞いてくれない、いくら説明してもわかってくれない。 イライラしたり、大きな声を出しても変わらないと思います。 相手を変えようとするのではなく、見方を少し変えてみることが大事です。 違いを認め、相手を受け入れることで、お互いに穏やかな心で接することができるでしょう。

神様に許す心を与えていただけるよう祈りましょう。

イル神父